
大浜礁斜面に移植試験可能なサンゴ幼生着生具(1000個1セット)を設置しました。
幼生の着生実験を開始/奄美のサンゴ礁再生に向け
【南海日々新聞 2006/06/16 11:27:18】
奄美海域のサンゴ礁の再生に向け、奄美群島サンゴ礁保全対策協議会(会長・平義勝奄美市環境対策課長)は十五日、奄美市の大浜海浜公園でサンゴの幼生の着生実験に入った。幼生の着生具を使って稚サンゴを育てる。十六日には瀬戸内町の大島海峡でも幼生の着生具を設置する。実験がうまくいけば二〇〇七年度にもサンゴの移植試験に着手する。
同協議会は、海水温上昇による白化現象やオニヒトデによる食害対策で〇五年度からオニヒトデの駆除に加え、サンゴ礁再生に向けた調査研究を進めている。研究は道の島公社(奄美市)に委託。同年度の再生可能性調査で枝サンゴやテーブルサンゴなどの幼生が着生する可能性が高いことが分かったことを踏まえ、大浜などで再生実験に入った。
実験に使うのはサンゴの幼生が着生しやすく、移植しやすいように工夫された駒状のセラミック製の着生具。この着生具を連結して約一千個収めたフレームを海底に設置して幼生を着生させた後、着生具を取り出してサンゴを育てる仕組み。
東京海洋大学の岡本峰雄助教授と九州大大学院の野島哲助教授らが開発し、石垣島と西表島の間に広がる国内最大のサンゴ礁海域「石西礁湖」や与論島での環境省や鹿児島県のサンゴ礁再生研究事業に使われている。
大浜での設置作業には野島助教授が協力。大浜沖のリーフの礁斜面(水深約八㍍)にフレームごと着生具を設置した。大島海峡での作業も野島助教授の協力を得て行う。野島助教授や道の島公社の興克樹調査員によると、幼生の着生はおおむね一斉産卵の十日後に終わり、幼生は一カ月後には定着する。三カ月で二、三㍉、一年で一㌢の稚サンゴに成長する。
このため、九月ごろには着生具の一部を取り出し、幼生がどの程度着生したか調べる。幼生の着生が確認されたら来年秋ごろまでそのまま着生具でサンゴを育て、サンゴの移植試験に活用する。
同協議会は「奄美各島でサンゴの再生から移植まで段階的に調査研究を進め、その成果を白化現象やオニヒトデによる食害などで自然回復しないサンゴ礁の再生につなげたい」としている。同協議会が十四日に奄美市で開いた研修会で、野島助教授は「サンゴ礁の保全・再生に向けては、赤土流出防止を含めサンゴの死滅要因を除去する対策が必要」と話した。



