神戸市相楽園会館で行なわれた第3回淡水ガメ情報交換会に急遽参加してきました。各地域からの取り組み報告がありそれぞれの地域の実情に合わせたアカミミガメ駆除が行なわれていました。本土ではアカミミガメ分布拡大以前の環境回復や日本固有のニホンイシガメの保全が重視されています。兵庫県明石市では生物多様性地域戦略に基づき、条例でアカミミガメを放逐等が禁止され罰則を伴う指定種に指定し、どうしても自宅で飼えなくなった
アカミミガメの引き取りも行なっています。環境省が特定外来生物に指定する前に条例で指定してしまえばいいわけです。
行政事業でのアカミミガメ駆除事業では市民からその目的や目標も指摘されているようで、アカミミガメが及ぼす影響を裏付けとなる科学的なデータにより明確にすることが求められているようです。発表があったどの行政機関も「最初はお金を出しますが後は地域のみなさんでお願いします〜」ってことのようですが、それはなかなか難しいのでは感じました。本土では地域限定での完全駆除は可能ですが広範囲ではアカミミガメの占有率低下を目標とした駆除が行なわれています。
移入種であることが明らかになりつつあるクサガメについては本土では駆除は行なわれていません。江戸時代以降に定着してから、イシガメと共存しており(交雑の問題もありますが)、その駆除による生態系への影響も懸念されているようです。
奄美大島では淡水ガメ類は全て移入種であり全ての種を駆除していますが、3年間の捕獲数は68匹(スッポン40、クサガメ19、アカミミガメ7、カミツキガメ1、ヤエヤマイシガメ1)。年間数百、数千ものアカミミガメが捕獲されている本土の地域と比較すると、奄美大島での駆除数は圧倒的に少なく、完全駆除は可能だと思われます。大型肉食魚(オオウナギやオオクチユゴイ等)に仔ガメ達は捕食され大発生が抑えられているのかもしれません。
リュウキュウアユをはじめとする希少種が生息し世界自然遺産をめざしている奄美大島において、世界中で侵略的外来種として知られているアカミミガメやコイの完全駆除をめざすことは、自然遺産へ向けて大きなアピールともなるのではないでしょうか。また自然遺産候補地として、その対策は責務だとも思います。
末永くお幸せに♡