2014年は(覚悟はしていましたが)予想以上に忙殺の年になりました。
元日から大浜展望台からのザトウクジラ陸上目視調査を開始。大浜クジラ調査隊で3月末までの90日間に73群130頭のザトウクジラを確認。1月28日には宮古崎沖で奄美大島では17年ぶりにセミクジラが出現。2月23日の全島一斉調査では1日で35頭のザトウクジラを発見。請島沖では「んーぼー」とのシンガースイム。4月には待ちわびていた「Z」とも初遭遇し、ASIVIを貸し切り夜のクジラ探検隊2014と題したトークショーを初開催。2014年シーズンのザトウクジラ出現頭数は過去最多の194群341頭になり、個体識別頭数も過去最多の113頭、奄美大島は名実ともにホエールウォッチングの島になりました!
ザトウが去ると5月にはウミガメの産卵が始まり浜歩きの日々。リュウキュウイノシシによるウミガメ卵捕食調査も開始し、合間にはライフワークのサンゴ産卵調査。日本クジラ・イルカウォッチング協議会設立総会にも参加してきました。例年通りウミガメミーティングも4回開催。今年の奄美大島におけるウミガメ類産卵回数は昨年の3割減となる715回。シシ食害は13浜115巣で発生し、総産卵数の16%が被食。ヒエン浜ではシシ食害対策でタバスコ鶏卵等で実験したものの、産卵中のアカウミガメの背後にイノシシの姿が自動撮影され、駆除した方が早いとの結論に。大浜ではアカマタによるウミガメふ化幼体の捕食を初確認。
7月にはウミガメ調査と同時進行で淡水生物調査を開始、龍郷町半田川では外来魚グリーンソードテールの大発生を確認し約500匹を駆除。9月までに島内47河川97地点でカゴ網を仕掛け、移入淡水ガメ類5種42匹を捕獲。大半はスッポンとクサガメだったものの、龍郷町浦では特定外来生物カミツキガメ1匹を捕獲。8月16日〜17日には下方地区、上方地区、名瀬新川で水生生物観察会を開催。奄美博物館では「淡水生物多様性シンポジウム」を開催し本来あるべき奄美の川について熱く議論。8月23日にはかごしま水族館で開催された「奄美群島サンゴ礁シンポジウム2014〜未来へ残そう!鹿児島のサンゴ〜」で、奄美群島におけるオニヒトデ大発生の歴史的考察について発表。
9月に入るとウミガメ会議準備にも追われ、慌ただしい日々が続き、睡眠不足と悪夢にうなされつつも、須磨で捕獲淡水カメの解剖をしたり、急遽代役でホネホネサミットに出展したり、梅田で呑んだり…。約1年がかりで準備を進めてきた第25回日本ウミガメ会議(奄美大島会議)は、11月28日~30日なんとか無事に盛会にて終了し、疲れを癒す暇もなく(やんごは10連チャンでしたが)、後回しになっていた報告書作成や助成申請、サンゴ調査に取りかかり、いつのまにやら大晦日・・・というかなり充実した一年でした。
今年も多くの皆様にお世話になりました。ありがとうございました。
皆様よいお年をお迎え下さいませ。。
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