多くの皆様にご参加いただき、ありがとうございました。
ミーティングでは、長年、喜界島でウミガメ調査をされている濱川孝久さんから産卵浜ごとの調査報告がありました。喜界島では、自然海浜より人工浜の方が上陸産卵が多く、昔の航空写真と浜の状況の比較検討を行ないました。人工浜でも孵化率も高く、新たな産卵浜として期待されています。
塩道長浜公園では、新しくできた人工浜で一昨年から上陸産卵がみられています。塩道長浜節で唄われているかつての塩道長浜を昔の航空写真で確認することができました。ムチャ加那節の舞台のひとつである小野津集落では、人工浜でありながら喜界島で一番多く上陸産卵がある小野津海水浴場で産卵地点が集中しているため、柵を用いて産卵巣を保護し、自然孵化脱出の子ガメ観察会も実施されていました。
濱川さんを中心にウミガメ情報が集められて、島全体で希少な産卵浜の保全に向けた取り組みが始まっています。参加された地域住民の方から、花良治やスギラビーチでの上陸産卵の情報提供もありました。
湾の漁港でのウミガメ観察をされている
きかいじまダイアリーのしんこさんから、アオウミガメ交尾観察例の報告もあり、研究会から写真による頭部鱗板配列からの個体識別についても紹介させて頂きました。喜界島でもアオウミガメの未成体が多くみられ、観光資源としても活用が期待されます。ウミガメ生態解説では、産卵観察は子ガメ観察時の注意点や赤色ライトの紹介を行ないました。
皆様のご協力により、今後のウミガメや産卵浜の保全や活用に繋がる有意義なミーティングとなりました。来年もぜひ開催しましょう!
自然海浜の池治海水浴場。砂中にサンゴ石が多く混ざり上陸するものの産卵が少ない浜。昨年は公園内の芝生広場に上陸しピットを掘っていたとのこと。(調査をされている藤崎さん、浜川さん)
喜界島で一番上陸産卵が多い小野津海水浴場。浜の長さが30mほどで、産卵は5m四方の範囲に集中している。
自然海浜の志戸桶海水浴場、数年おきに上陸産卵がみられる。
塩道長浜公園の人工浜。一昨年から上陸産卵がみられるようになった。